曇り空を見あげて

 鳥が飛んでいる。水鳥?ガルウイング。その白い鳥はまっすぐに空を舞っていた。青空だったら良かったのに。彼は彼で生きていくのに精一杯なのだろうから、そんな事は意に介さないのだろうけれども。
 どうせなら連れてってくれないかな。いや、一番高い所に置き去りにしてもらわなくても構わない。優しくしてもらった記憶はそんなにないし。
 上手く飛べてるよな。んじゃあ、どこかに辿り着けたのだろうか?そこにはやっぱり少女がいたのだろうか。
 透明な大気。雨が降ってますし。夏の青空よりよっぽど澄んだ大気。
 透明なユメ。どうでしょう?ユメを見なくなって久しいなぁ、と。
 やっぱどっか連れてってくれんか?


 ……あ、重いか。


 10時ごろ、いつものように荷物と格闘していると部長宛に電話が掛かっている放送。たまたま梱包を出庫に来ていた部長が荷受の電話で出る。漏れ聞こえる話は市内の配達に出た人が渋滞に引っかかって会社に戻れないという内容。何でまたそんな渋滞が。聞いてみると北陸線で事故があって踏切が開かないんだとか。開発あたりで人身事故?線路内に自転車に乗った人がいたとか。サンダーバードが通りかかり、急停車。その人を探すも見つからないそうで。先輩はその話を8時30分にラジオで聞いたとか。もう2時間ですよ?いくらなんでもかかり過ぎだと話しつつ、補償の話に。頭の中ではモーターマンがかかってました。