(twitterでの会話より)理想が高けりゃこけると言う話。 その2

 さて、安定に一日すっ飛ばした訳ですけれども。
 今、一昨日のエントリを読み返していたのですが、やっぱり論旨がよくわからないな、などと思っているのですけれど、まぁ、ブラック企業がブラックになる理由はある程度書けたのかな、とは思うのです。
 つまりその骨格は……、

1)自動化・集約化が出来ない業種が
2)価格競争にさらされた結果
3)人件費を極端に削らざるを得ない状況が常態化した

 と言えるのかな、と。
 例えば外食産業。その黎明期、職人が個々の腕で提供してきた料理をセントラルキッチンなどで集中的に生産できるものは生産し、個々の店舗では最終的調理だけをマニュアルにしたがって行えば提供できるという形に整備したのが始まりだと私は考えています。で、個店で行う作業と言うものは簡素化されているので、高校生や大学生のアルバイトが望ましく……技術がいらないというのがそのシステムの売りだから……低賃金で運用できなければなりません、が、やはりそこは日本。アルバイトにも技能向上が要求され、また、アルバイトを使っていく上でどうしても回避できない状況……労働希望者がいない時間帯が発生してくるのですが、これを穴埋めするために社員等々が投入されていき、社員は休みも取れず稼働し続けなければならなくなる、と言う事態が発生します。
 また、その業種の爛熟が進めばどうしても差別化という辺りで個店における技能化が求められ、一応セントラルキッチンであれこれ供給するのだけれども、店舗側でも複雑な調理をこなさなければならなくなり、その為に社員や一部パート/アルバイトがどうしてもそこにいなければならない状況……その人がいなければ店が廻らないという状況が発生したりします。
 それ以前にそもそもセントラルキッチン制を否定するような企業も現れたり……というのは食品加工業側がセントラルキッチンのように振る舞うようになってきた為に個人店/小規模グループでも同じような事が出来たりしてきた、というのがあるようには思います。
 あと、料理が皆一定の水準に到達してしまうとあとはサービスや食材で差別化を図ろうとしてきたりもするんですね。そうなるとサービス(よくフロアっていいますけど)担当の重要性が増してきたり、特定食材を使う事で色々な話が出てきたりもしてしまう訳です。

 ここまで読んでくださった方はお気づきでしょうが、ブラック企業がブラックになる理由として私が1)集約化できないと書いたのはおかしいやないか? という話が出てきます。
 えぇ、問題として、集約化してコスト削減を図った業態がその競争の中再度分散化していった為に集約化が出来なくなってしまった、という状況が発生しているんですね。
 で、往々にしてその業態の経営陣というのはそもそも集約化される前にその業態で生きてきた人が多く、だからこそ集約化後に発生してきた問題を再分散で解決し、そこで生じるコストは努力と根性で相殺せよ、と命じなるのです。

 つらつら労働環境を歴史的に眺めていると、我が国において俗に言うサラリーマンというのはどうも戦後高度成長期が始まった頃から、イギリスにおける福祉国家の成立のように、労働者への保護を求める政党と国家としての成長を追及する政党のせめぎあいの中で成立したんじゃないか、と思うのです。ただ、それを運用する人間なり、管理職というのはその枠外。例えばよく公務員はお役所仕事で〜と言うような話がありますけれど、中央官庁などは上から下まで午前様、私の世代であればタクシー券問題なんかも聞いているかと思いますが、つまりは終電に乗れない公務員ってのも大勢いた訳です。
 と、なんか話が明後日になっちゃいましたけど、うーんと。
 つまり、我々が夢見るサラリーマンというのはそれこそ自民55年体制と呼ばれた時代、私はアレを自民党社会党の2大政党合作時代と呼ぶべきだと思っているんですが、その中のごく短い期間しか存在しなかったんじゃないか、と思うのです。しかもそれはごくごく一部の業界においてしかなかったんじゃあなかろうか、と。

 
 ここまで書いてきてふと気になったんですが、『経営者マインド』ってつまりヒラも管理職的に働け≒残業代なんか当たんなくて当たり前よね? ってことなのかな、と思ったりしています。もちろんよく言われる『給料分働け』というのはまっとうな事で、私が新卒の頃よく言われたのは『給料の3倍売り上げを上げないと会社は廻んない』という辺りは事実だと思います。ただ、まぁ、それが見えるか否か、営業なんかだと数字に追われますけど、製造や物流なんかは経費しか目に出来ないわけで、その活動を価格化できるか否か、という話は当然ある。そしてそういう意味において京セラのアメーバ経営理論ってのはすげーなぁ、と思ったりもしている訳です。


 と、とっちらかっちゃったので今日はこの辺で。