牛丼について思う。〜BSEの話（mixiより改変）
某画像掲示板を眺めていたら、『アルツハイマーはＢＳＥだと言う指摘がある』という文脈が。ＢＳＥが関連するのはクロイツフェルト・ヤコブ病ではなかったか？と思い調べて見たら厚労省のページに辿り着いた。
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/vcjd/index.html
ここのＱ１７、『日本で今後ｖＣＪＤにかかるリスクはどのくらいですか？』を読んでみると疫学調査上の試算でＢＳＥ由来の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病（以下vCJD）患者は日本国内においては0.1〜0.9だろうとの試算。
確かに、このデータは英国でのvCJD認定患者とBSE牛の数を比較検討したものであるから、例えば若年性アルツハイマー症患者の中にvCJDが含まれていなかったのかと言われればどうだろう？と言う事になるし、逆にBSE牛由来異常プリオンがどういう経路を辿ってvCJDを引き起こすのか？と尋ねればやはりよくわかんにゃい、となるのだ。（もちろん、規制というものは『あやしきは罰せよ』的にやる訳だからこれで構わないのだけれども、南野農園の例の様にそれが違った時などのケアも必要であるわな、と。菅さんはそれをカイワレ一気食いのパフォーマンスでおしまいにしようとした訳だけれども。閑話休題）
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/2572/aff2.html 気になってさらに調べて見たらこういう所にぶつかった。
このサイトは多分国内でBSEが発生し、国産牛は危険とメディアに喧伝された時に立ち上がったものだと思う。（その時の国内の対応は『安全安心なアメリカ産牛』というものだった。近所の焼肉屋もそれまで掲げていた『国産黒毛和牛』の看板を星条旗に変えていたのを思い出す。そのしばらく後アメリカ産牛でのBSE……カナダからきたんだとアメリカが言い張ったアレで焼肉屋は焼肉の看板を今度は韓国料理に書き換えた。今思うと韓流というのはちょうどこの頃で多くの焼肉店経営者を抱えるどこぞの団体が同族であるどこぞの社長を動かしてやったもんでないかと思わなくもない。韓流は焼肉屋の倒産防止策だったとしたら、これほど愉快なものもないな、とも。……あぁ、だからチャングムだったのか？閑話休題）
で、まぁ。イギリスではBSE問題発生当初、イギリス国民全員がvCJDで死に絶えるのではないかという話があった。この事は日本でもNHKが特集し、異常プリオンが酵素となり１：１で正常プリオンを異常プリオンへ変化させるというモデル画像に戦慄を覚えた記憶がある。
あれから１０年は経った。で、未だにイギリスは健在でこの間もアメリカと組んでイラクに派兵するほどの国力を有している。で、私は異常プリオンが体内に取り込まれる経路が無いのではないか？と考えていたのだけれども、実際はもっとややこしいものだった。上記文章を読むと、異常プリオンはそのタンパク質一つでは感染力を持たず、１０万個以上の異常プリオンが集まって、結晶化しないと感染力を持たないとの事だった。
いや、それはもう槍みたいなもんだろ。巨大分子（ユニット）にも程がある。
プリオンの分子量は27000〜30000。で、１０万個て。
http://micro.fhw.oka-pu.ac.jp/microbiology/virus/prion.html
計算してみると、その量は0.05ピコグラムという事で、想像していたよりはずっと少ない量なのだけれども、そんな巨大分子が棒状に１０万個繋がるというと、やっぱりそんな構造を持ったモノというと食べ物に含まれるモノとしてはセルロースぐらいしか思いつかない訳で、やっぱりそんなものがどうやって体内に取り込まれるんかいなぁ、と。タンパクならそういう構造を持つのはミオシンぐらいか？
http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/kouenn-koukaikouza/bse-osame/bse-osame.htm
先出の鹿児島大学・納先生の公開講座のページ。こういうのはやりませんよね、テレビって。
アルツハイマーといえば、随分前アルミニウムイオンが悪いという説があって鍋をアルミ鍋から鉄鍋に変えたという人の話を聞いた事があるのだけれども、市販の胃薬の中には大抵アルミゲルが含まれているし、多分アミロイド沈着が伝言ゲームでアルミになったのかなぁ、とも。根拠や論拠が無くとも病気にはなるし、地震は起きる訳で。病気にならない為の手を打つというのは、それこそ個々人の自由であるから構わないのだけれども、
それを商売のネタにしたり、悪戯に人の不安を煽って見たり、それを信じないものを罵倒するってのは、それはもはや魔女狩りや優生学のようなものであって、松本サリン事件における長野県警の行動を批判する資格を放棄するようなものだと思ったりも。
しかしまぁ、豚丼が将来的に無くなるかも知れないってのはちょっと寂しいよなぁ。
