漠然と考えてみる。

 我々が座ったままで地球の裏側を知ることが出来るのは報道のおかげ。それは疑いの余地が無い。ただ、地球の裏側で何が起こっていようが知ったことではない、という考え方もある。アフリカで飢えで死んでいく少年、東南アジアで家族を養うために体を売る少女。少なくともそれは私個人には何の関係も無い。彼らが死のうが生きようが私の生死には係わり合いは無い。
 ただ、知ってしまうと曲りなりともの良心が痛む。痛んだところで募金に応じる位の事しか出来ないのだけれども。
 日本は児童ポルノの供給国だという。なぜそれを強調する必要があるのか?それはその人物の良心の発露に過ぎない。それはすばらしいことだと思う。素直に頭が下がる。
 しかし、それを手段として利用しようとする人間がいるのも事実だ。
 家族のために体を売る少女のためには喜んで募金に応じたい。だが、児童ポルノ法案強化のためには一円も出したくない。なぜか?それは少女を救わないからだ。そこで集まった金は結局キャンペーンに使われる。キャンペーンとは?集会やビラまきならかまわない。その時それに参加した人々のお茶代になるのなら結構だ。だが、それで留まるのだろうか?
 マッチポンプという言葉がある。問題を大きくしてそれで金儲けをしようと企むという事だ。
 きっと、児童ポルノに反対する人々は新聞広告を出すだろう。ひょっとするとTVCMを打つかもしれない。その関係者が有名になれば講演にも呼ばれるだろう。その問題を追いかけたという本も出る。
 そしてそこで生まれた利益は少女たちに行くことは無い。
 一個人の良心は、商機として利用される。それを行うのは報道であり、マスコミだろう。肥え太るのは誰か?広告代理店や俗に言う『業界』の人間たちだ。
 マスコミのおえらさん方は飽食で脂肪肝になる。アフリカの少年は飢餓で脂肪肝になる。
 お互いが均衡を保てればいいのだけれども、そういう機関を作ったところでそこでも同じことが起きる。どうも救われないような気がしてならない。

 ところで、今国会は郵政民営化が焦点だそうだが、国債の2005年問題を報じているTVはどれほどあったろうか?今年はバブルがはじけた直後、景気浮揚策に財政投資を行う原資として発行した国債が償還される年だ。その事を危機として伝えたマスコミはどれほどあったろうか?

 時代は移り変わる。変化は早くなる。クォーターイヤーどころではない。かつての10年が1年になる。ひょっとすると100年の変化を1年で起こすかも知れない。だが、世代は10年もしなければ変わらない。変えられない。『”老舗”とは時代に合わせて変化できるモノを指す』という言葉がある。その老舗が倒れている。老舗で無い店などもっと早い。今生き残っているのは今出来たばかりの企業だ。だが、その企業は明日を知れない。
 『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず』なんだ、昔からそうじゃねーか。

 会社は大きくならなきゃならないそうだ。だけれども、物事には限界点というものがある。各家庭に冷蔵庫は2台もいらない。洗濯機も。家に掃除機が2台あるのは不思議だけれども。
 負け組は消費しない。介護職員が手にする給料は少ないが、それは介護保険から出ている。介護市場は金は消費してもそこから金を生むことは出来ない。だから、金の出元を絞る。絞れば介護職員の手取りは減る。それでも介護職員はそれぞれの使命感や良心で働き続けるだろう。だが、彼らの消費は減る。確実に減る。そうなれば、物は売れなくなる。会社は倒産する。在庫がバッタ屋に流れる。いまではディスカウントストアというのか?そこに客が集まればスーパーがつぶれる。やけを起こした元店主は火をつける。治安が悪化すれば人々は出歩かなくなる。街が寂れる。寂れれば、商店はつぶれる。
 今の日本はたぶん限界点なのだろう。今欲しいものは何?私はAIRのDVD。そんなもんだ。それがどれほどの経済効果を及ぼすか知らない。少なくとも耐久消費財はいらない。あー、タイヨーパチンコ(鯖江?)がCMに使ってる海物語のまりんちゃんでしたっけ?あの子の旗はほしい。萌え殺させるつもりかというCMがバンバン流れている。そんなことはどうでもいい。いや、構わないのか。これからは知価社会になるそうな。知的所有権が命綱。その割りには世間の風当たりはきつい。町工場の貸し剥がしはもう無くなったんだろうか?ソフト会社には融資されているんだろうか?カネボウは中国で化粧品を売るつもりだったのか?馬鹿じゃねーか?撤退しろ、撤退しろ。そこは満州だ。幻だ。いつか消えてなくなる。

 さて?皆さん。どうやって我々は未来をここに見出せばいいんでしょう?
 未来はむしろ東南アジアの少女やアフリカの少年の手元にある。

 この国には何でもあるが未来だけが無いといったのは誰でしたっけ?
 それがわかったところで、何も方策は無いんだけれども。

 都会では若者の自殺者が増えている?
 何時の歌だったか?今もそうだよなぁ。何だ、変わってねーじゃねーか。鴨長明は嘘つきか?少なくとも、今の政治家や報道関係者よりゃ嘘つきじゃねーわな。

 ソドムとゴモラかぁ。歌舞伎町を見たときそんなことを思ったもんだけれども、今どこでもそうですしな。高校の横にアダルトショップって開業できたんだっけか?あー、本屋だからいいのか。風俗営業店じゃねーもんな。

 身内の連中にも次々とJrが生まれてきていて。そういや女の子は一人だけだなぁ、と。彼はコンピュータ関係者ではないんだけれども。あの俗説は嘘か?
 出来れば彼ら、彼女らには未来がありますよう。がんばろ。何をどうすればいいかわかんないけど、がんばろ。