カレカノDVDをみながら

 嫁さんと暫し議論。

 嫁さん曰く、『庵野監督って結局アニメを金儲けの手段だと思っているんじゃないのか』と。確かに、実験性が高いというか、エヴァからこっちは実験作しかやってないような気もして。じゃあお前何が好きだ?と聞いてみると『攻殻』……プロダクションI.G.とガイナックスじゃベクトルも陣容も違いすぎるだろう、と。I.G.のシナリオには東大先端研のマスタークラスがいるんだぞ、と。いや、だからどうしたという訳ではないのですが、創り込みという点では比較にならないでしょうし、攻殻は原作もさる物であればアニメもさる物で。カレカノだって原作は大したもので、少女漫画に抵抗があった私が貪るように読んでます。ただ、世界観という点ではどうなんだろう?とも。攻殻の面白さはその世界観であって、カレカノの面白さはその人間劇である訳でやはりベクトルが違う。嫁曰く『カレカノ原作読者はきっとこれ満足しない』んー。当時としてはこれで充分だったんじゃあないかと。大体、庵野監督だって終わらせるつもりは無かったんでしょうし、流説では途中で切れて放り出したと言う事でしたし。
 確かに、庵野監督は話を終わらせる事が出来ない。(これはエヴァカレカノだけ見た所感だけれども)ただ、それを言うならば押井監督(プロダクションI.G.とは関係が無いが)の初期作品(特に実写)は意味不明という評が高かったな、と。
 嫁はさらに宮崎アニメについて『ナウシカまでは好きだったけれども、それ以降はあんまり好きじゃない』と。なるほど『紅の豚』はあれは趣味だけで突っ走ったものだろうし、『魔女の宅急便』は原作付きだし。『もののけ姫』は宣伝がテーマをぼやかした見本みたいな作品だったなぁ、と。

 佐藤大輔曰く、『天才が天才で居続けることは難しい』。確かにモーツァルトが夭逝していなければ天才という評価が残ったかと言うとわからないけれども。ただ、天才を天才として存続させえないのはその初期作品があまりにもすばらしすぎるからと言うのもあるのかも。某氏曰く、『あれには全部入ってますから』。確かに、初期作品には全部入れなければ読んではもらえないでしょうし。それを超えるという努力は並大抵のものではないでしょう。私なぞ、まともに作品と呼べるものを作ったこともないですし。ただ、彼の方が枯れるにはまだ早いような気はするのです。祈り、なのかな?私は確信だと思っていますが。

 閑話休題
 議論している中で、お互いの立場が違う事がはっきりと。私は庵野監督作品を『自主制作アニメ』として見ており、嫁は商用作品として見ていた訳で。

 しかし、悔しいよな。写真をコピーしてわざと劣化させて使うってのは私94年の研連に習作として出しているんですが、やりたかったことを全部やられてしまっているもので、もう、なんとも。テキストワーク・写真コピーの使用・動画ではなくイラストの挿入。

 結局は、自分には手が無かったという事なんだろうな、と。
 いや、努力か。小説も放置気味ですし、少し状況になれて来たらまた書き始めないと。少なくとも、まだ諦めていないし、私に出来る唯一の表現方法ですし。

 最も、表現するものがあるんか?と問われると腰が落ち着かなくなるのですが。