実家が店を畳んだ話。撤収作業2日目(mixiより転載)

 実家の店が畳むことに。先週の土曜日に一旦営業をやめ休業。一応移転する方向で検討中との事。ただ、それもどうなるのか検討中。そのやり取りはもう5年ほどしてきた訳で。

 作業自体は昨日から始まっていまして。私は2日目から投入です。

 10時に出頭し、昨日の進捗を。どうも支払いがメインであまり進んでいなかった風。弟を乗せ店へ。それからはただひたすら食器の梱包を。4人がかりで一日かかりました。その間予約の電話なんかも入ってきて。『今移転するんで19日から休業させていただいているんですよ』とは父親の応対。一応そういう事になっているらしくて。実際この後どう動くかは未定なのでその言葉に嘘はないのです。私の携帯もなったり。『辞めるんやてかー!!』明らかに怒っている先輩の声。なぜか伝わっている所と伝わっていない所があって、先日同僚と会ったのはそういう意味では送別会だったのですが。現在店の撤収作業中でバタバタしているんですよ。体動かしているのはいい事だ。でも俺だけになったなぁ、と。合併以前からある意味組んでいた『転職組』はその先輩だけになってしまって。

 ふとした休憩時間、父親と母親の会話。現在うちは黒龍一本だったんですが次どうしようか、と言うような話。冷酒が龍ですから結構なもんで。ほとんどお客さんから利取ってなかったんですよ。『うちは料理を売る店であって、酒を売る店ではない』という信念と『酒にあわせて料理の味付けを変えなきゃならないのは面倒くさい』という横着と。複数の酒を置くんであれば、その都度味付けを微調整する事になるんでしょうが、私も弟も下戸。下戸に酒の味がわかる訳もなく。父親ももう歳ですからそろそろ微妙な味はつけれないでしょうし。
「冷酒、まだ酒屋さんに50本ほどあるってったな。あれ支払いしとかんとな」
 物欲しげに見る私。『送るんだったら酒屋に行って発送してもらえ。持ってきたきゃまだここにも10本ほどあるぞ』日当確保。

「あぁ、そういやお前、今のアパート7万ぐらいだろう。光熱費入れて。3万あたりの物件に越せや」
そんな物件あんのか?猫うんぬんを言うと捨てろと言われるので、
「引越し費用が出ません」
 とだけ答えまして。
「1年あれば元が取れようが」
 引越資金が20万、敷礼あわせて10万ぐらいか。それ以前に今住んでいるアパートは猫がそれなりにやってくれたんで敷金にいくらか追い金が発生するでしょうし。そうなるとちょっと想像がつかないなぁ、と。話をうやむやにしつつ。
「だいたい、3万はないでしょう」
 『ここの家賃、うちが入った時の半分になったぞ』と父。うちは坪1万で入っているんですが、今の相場は5千円だそうで。実際もう維持費が捻出できないビルなんかも出てきているそうで、もうちょっとすると売りに出るだろうな、との話に。

 とりあえず箱詰めした皿の類。部屋の隅に積み上げて父親と二人。
「軽トラでしたっけ?」
「うん」
「2回で行ける?」
 父親が笑いながら『5回はかかるだろうさ』と。居抜という形態な物ですから、どれだけのものを残すのかがいまいち不明。フライヤーなんかはそのままらしいんですが、冷蔵庫は持って帰るとの事で。弟と二人業務用冷蔵庫を見上げながら、
「どうやって運んでどこに置くんだ?」
「父ちゃん玄関に置くゆうてるけど、無理やろう」
「ビールの冷蔵庫は?あの電気食い」
「あれは返品するんだって」
「へぇ……」

 店は真っ黒に塗って居酒屋になるそうです。
『なんでそう黒が好きかな?』と私が言うと、父親は苦笑いを浮かべて、
「建築屋に技術が無い。発想が無い。それだけだ」
 と。灰色の壁、木の柱。つややかな肌の色にも似たその飾り柱は墨色に塗られるんだとか。それが時代というものなのでしょうね。黒ってのは染物では結構難しい色なんですがね。フィルムにするにも。

 ガラス器は家に。陶磁器は父親の実家に置く予定で。
「ガラス器置ききれるかな?」
「あー、私使ってた部屋に置けばいいやん」
「あんたの荷物も山ほど残ってるざ?」
「いま、アパートの方も整頓してて空間できたから引き取れるよ」
 父親が苦笑いをしました。
「そういえば、パソコンなんか捨てて構わない?」
 母親の言葉。PC386GEとPC88FAが実家には残っています。
家電リサイクル法でややこしいんちゃうん?」
「あー、頼めば便利屋さんが持ってってくれるのよ」
 どこにや。

 食器は9割9分片付け終了。この調子であれば今週中に何とかなるんじゃないか、との話に。後どれくらいのものが入っとんじゃ、ここには。と、私は部屋一杯に積みあがったダンボールを見ていました。

 実家の店が畳むことに。先週の土曜日に一旦営業をやめ休業。一応移転する方向で検討中との事。ただ、それもどうなるのか検討中。そのやり取りはもう5年ほどしてきた訳で。

 作業自体は昨日から始まっていまして。私は2日目から投入です。

 10時に出頭し、昨日の進捗を。どうも支払いがメインであまり進んでいなかった風。弟を乗せ店へ。それからはただひたすら食器の梱包を。4人がかりで一日かかりました。その間予約の電話なんかも入ってきて。『今移転するんで19日から休業させていただいているんですよ』とは父親の応対。一応そういう事になっているらしくて。実際この後どう動くかは未定なのでその言葉に嘘はないのです。私の携帯もなったり。『辞めるんやてかー!!』明らかに怒っている先輩の声。なぜか伝わっている所と伝わっていない所があって、先日同僚と会ったのはそういう意味では送別会だったのですが。現在店の撤収作業中でバタバタしているんですよ。体動かしているのはいい事だ。でも俺だけになったなぁ、と。合併以前からある意味組んでいた『転職組』はその先輩だけになってしまって。

 ふとした休憩時間、父親と母親の会話。現在うちは黒龍一本だったんですが次どうしようか、と言うような話。冷酒が龍ですから結構なもんで。ほとんどお客さんから利取ってなかったんですよ。『うちは料理を売る店であって、酒を売る店ではない』という信念と『酒にあわせて料理の味付けを変えなきゃならないのは面倒くさい』という横着と。複数の酒を置くんであれば、その都度味付けを微調整する事になるんでしょうが、私も弟も下戸。下戸に酒の味がわかる訳もなく。父親ももう歳ですからそろそろ微妙な味はつけれないでしょうし。
「冷酒、まだ酒屋さんに50本ほどあるってったな。あれ支払いしとかんとな」
 物欲しげに見る私。『送るんだったら酒屋に行って発送してもらえ。持ってきたきゃまだここにも10本ほどあるぞ』日当確保。

「あぁ、そういやお前、今のアパート7万ぐらいだろう。光熱費入れて。3万あたりの物件に越せや」
そんな物件あんのか?猫うんぬんを言うと捨てろと言われるので、
「引越し費用が出ません」
 とだけ答えまして。
「1年あれば元が取れようが」
 引越資金が20万、敷礼あわせて10万ぐらいか。それ以前に今住んでいるアパートは猫がそれなりにやってくれたんで敷金にいくらか追い金が発生するでしょうし。そうなるとちょっと想像がつかないなぁ、と。話をうやむやにしつつ。
「だいたい、3万はないでしょう」
 『ここの家賃、うちが入った時の半分になったぞ』と父。うちは坪1万で入っているんですが、今の相場は5千円だそうで。実際もう維持費が捻出できないビルなんかも出てきているそうで、もうちょっとすると売りに出るだろうな、との話に。

 とりあえず箱詰めした皿の類。部屋の隅に積み上げて父親と二人。
「軽トラでしたっけ?」
「うん」
「2回で行ける?」
 父親が笑いながら『5回はかかるだろうさ』と。居抜という形態な物ですから、どれだけのものを残すのかがいまいち不明。フライヤーなんかはそのままらしいんですが、冷蔵庫は持って帰るとの事で。弟と二人業務用冷蔵庫を見上げながら、
「どうやって運んでどこに置くんだ?」
「父ちゃん玄関に置くゆうてるけど、無理やろう」
「ビールの冷蔵庫は?あの電気食い」
「あれは返品するんだって」
「へぇ……」

 店は真っ黒に塗って居酒屋になるそうです。
『なんでそう黒が好きかな?』と私が言うと、父親は苦笑いを浮かべて、
「建築屋に技術が無い。発想が無い。それだけだ」
 と。灰色の壁、木の柱。つややかな肌の色にも似たその飾り柱は墨色に塗られるんだとか。それが時代というものなのでしょうね。黒ってのは染物では結構難しい色なんですがね。フィルムにするにも。

 ガラス器は家に。陶磁器は父親の実家に置く予定で。
「ガラス器置ききれるかな?」
「あー、私使ってた部屋に置けばいいやん」
「あんたの荷物も山ほど残ってるざ?」
「いま、アパートの方も整頓してて空間できたから引き取れるよ」
 父親が苦笑いをしました。
「そういえば、パソコンなんか捨てて構わない?」
 母親の言葉。PC386GEとPC88FAが実家には残っています。
家電リサイクル法でややこしいんちゃうん?」
「あー、頼めば便利屋さんが持ってってくれるのよ」
 どこにや。

 食器は9割9分片付け終了。この調子であれば今週中に何とかなるんじゃないか、との話に。後どれくらいのものが入っとんじゃ、ここには。と、私は部屋一杯に積みあがったダンボールを見ていました。