姉がいないと猫が啼く

子猫が時折啼くのです。
 姉がいないと啼くのです。
 何でみんな平気なの?
 お姉さん今いないのに。


 そして甘えて啼くのです。
 姉さんは何処と啼くのです。
 仕方も無しに僕たちは、
 彼の撫でつつ泣くのです。


 姉さんいないよ、何でなの?
 姉さんいないの平気なの?
 仕方が無いから僕たちは、
 線香ともして泣くのです。


 子猫が時折宙を見て、
 甘えた声で啼くのです。
 きっとそこにはあの猫の
 気配を見出し啼くのです。


 時折僕らもあの猫の、
 気配を感じて泣くのです。
 部屋のすみっこ廊下の端に
 彼女を感じて泣くのです。