夜街散策

 M君は子どもの頃静岡で育ったと言う事で、いい感じで酔っ払ったS氏と彼の案内でフラフラと。さて、どうしようかね?せっかくだから魚が食いたい。いや、わさびだわさびだとそれぞれぶつぶつ言いながらウロウロ。やはりどこの街も同じか全国チェーンの居酒屋も多く、地元資本だろうと思われる店も満員で、結局30分か1時間ほど彷徨ったあげく見つけたのが『伽音』というお店。入ってフロアを見渡し一瞬自分たちが場違いな存在ではないかと。『どうするや?客単4〜5じゃないか?』『だね』と私とS氏でごにょごにょ話。通されたのはカップル向けの椅子席で、それでも3人充分座れ飲むには支障もない場所。ただ、食べ物を置くには苦労しそうなテーブル。囲いがあり、6日月の切れ間のような開口部があるのですが、そこからはカウンターで飲んでいる人々の背中が見え、壁にディスプレイされた皿の数々が見えて。『二十代後半から四十代、ダイニング系でオサレな店』と言う印象。メニューを見ると酒はビール、地酒、焼酎、梅酒と3つのジャンルに3品目ぐらいがラインナップ。カクテルもあるとの事なのですが、お店オリジナルな風。みりんのカクテルなんてのは珍しいなと思ったものの、考えて見れば『なおし』ってのがあったなぁ、と決して奇をてらっているものではなく、それぞれにきちんとした背景があるものばかりの様にも思えて。テーマは和と言うよりジャポネスクだなぁ、これは、と思っていると、店員さんがやってきて。先付けはなく、よければ『魚・肉・野菜』の3つから小鉢を選んでくださいとの事。同時に運ばれてきた薬味はテーブルにセットされていた醤油と梅肉ののばしたもの*1以外に山葵(サメ皮で
都度卸す)・天然塩・柚子こしょう・かんずり?・南蛮味噌?。後半2つはちょっと聞き漏らし。飲み物はS氏とM君が生、私は初亀の純米を。小鉢は全員魚で、やってきたそれはアンキモでした。うまうまとアンキモを堪能しながら酒を。あとどうするかね?と話しているうち刺身盛りと駿河牛刺身盛りをオーダー。
 料理を待っていると座敷席が開いたのでとそちらへ。『狭いね』とか『一杯で抜けよう』と言っていたのが聞こえたのか?ともかく4人席に移されゆったりともう動く気も失せのんびり。『凄い店だな』というS氏の言葉に『あぁ』と。来る人来る人『狭くてすいません』との言葉が入って、結果がこうなったとなればホールのチームワークはすばらしいに尽きる訳で、その統括はかなりだね、と。それから鶏の刺身と黒糖ソラマメと言うのもオーダー。ジンジャーエールはもウィルキンソンですべてに神経を行き届かせていると言う感を受けました。S氏らは黒ギネスの後焼酎にスイッチ、2時間ほど過ごして上がり。清算はS氏が一括でと言うのでその間にトイレへ。そこで奥に座敷がある事を発見、10時だと言うのに店は満員盛況。恐ろしいなぁ、と思いながらフロアのサブのような方に見送られて外へ。そこでS氏がニヤニヤしながら。『きょくせんさん、いくらだと思う?』『4〜5千円ちゃうん?』『3千ちょい』……へぇー、ともう笑うしかなく。考えて見ると盛り合わせ3品だけで焼き物や煮物、野菜物どころか締めの一品にも手を出さずひたすら飲んでいたのでお店に悪い事をしたなぁ、失敗したなぁ、と言う感も。また行きたいなと思いながらホテルへ。
 途中コンビニでおにぎりとお茶を買い、甘い物も少し欲しくなったのでメロンパンも一つ。ホテルで少し駄弁って就寝は1時でした。

*1:酒と言うよりみりんか何か?