富士眺望の湯ゆらり 雪見風呂のちスリルドライブ

 帰路を山梨ルートに取ったのはここに来たかったからそうで、向かう途中かすかに見える結晶にM君が『やな幻覚が見えるんですが』とやや引きつった笑いで。残念ながら俺らにも見えるよと答えると、いざとなればスタッドレスタイヤ買えばいいじゃんとT氏。降る雪は路面に落ちればたちまち消え去り、そう心配する事でもなかろうなぁ、と。
 程なく富士眺望の湯・ゆらりに到着。ペースはかなり早いと言う事で入浴。サブサブと裸で雪が舞う中露天風呂へ。晴れた日は富士が見えるとの事なのですが、今日は雪。『まさかこっちで初雪を見るとは思わなんだ』と呟くとT氏も『まったくだ』と笑いながら。雪の粒はその大きさを増し、立ち上がりグランドをみると真っ白。皆やや無言に。『早めに出るか?』とのS氏にそれでも温泉を堪能して上がり。風呂上りはいちご牛乳。三十路の野郎には似合わねぇだろうな、などと思いながら思い出すのは浜松が舞台の某アニメ。なんか色々毒され気分。
 店員さんの話では、こちらでも雪はクリスマス頃との事。こんな早いのは珍しいと笑っていました。
 とにかく中央道にのりましょうとのM君の論に賛同し、慎重なドライブ。路肩には雪の中ライダー達が話し合いをしている姿が見られ、ガソリンスタンドはタイヤ交換の車であふれている状態。M君の運転は注意深い良い運転で乗っていて特に不安もなく。ただ、怖いのはもらい事故だなぁ、と思いながら雪舞う車窓を眺めていました。
「東京も雪だと厄介ですね」
 高速へのエントランスでM君はラジオを起動。伊集院光の声に番組の枕トークに雪という単語が含まれていない事で安堵。渋滞もなく快調なドライブで八王子駅着。