ワークシェアリングと言う事。

 昔、彼の代議士がその単語を連発する以前。まだ私は前の会社に在って営業なんぞをしてた頃。会社へ帰る車中で某放送局のラジオニュースなんぞを聞いていたのですが、その時の話。

 特集だったのかな?コラムみたいな枠で『ワークシェアリング』を取り上げていたんですね。んで、福井県内の主要企業を回って記者さんが取材してたんですが、話の最初は『ワークシェアリングとはなんぞや?』というものだったと記憶しているんですが、話の流れ、どうも『ワークシェアリングは悪だ』と主張しているように聞こえてきたんですね。これはもちろん私の主観であって、某放送局がどういいたかったのかは別。

 記者さんは各企業を回って、ワークシェアリングが実施されているかどうかを尋ねてたんですよ。んで、各企業はこんな風に答えてた。

「うちはワークシェアリングはやってません。その分操業時間の短縮をやってます」
「ラインの稼動本数を減らしてます。……えぇ、正社員のラインだけ回してるんですよ」
「請負のラインを切ったり、派遣を切ったりして正社員の雇用維持に努めてます」

 ……んで、その記者さんは『このように、福井県内の企業では正社員の収入減に繋がるワークシェアリングは行われてません』と、誇らしげに語った訳なんですが……。

 ワークシェアリングってのは、詰まる所仕事を分け合う事により仕事に就けない人間を減らそうという意図から為されるものですよね?
 派遣とか、請負とか切ったら、それはつまり失業者が生み出されている訳で。個々人の収入に明らかな格差が発生する。ワークシェアリングってのは、その格差を是正しようという手法だったと思うのですが、違うんやろか?と。

 現時点。ラインには正社員の姿はなく、管理部門なんかに集中された正社員は年俸制能力主義の導入で残業代なんかが削られて結果として収入減・過重労働に。ラインの派遣やパートは稼動時間短縮等々で安定しない収入にビクつく訳で。それが悪いって訳ではないんですよ。派遣やパートという働き方はやはりあって当然。それが日本の国際競争力を回復させるんだと言うのならそれもやむなし。ただ、それを行っている社会がそれを受け入れる体制を持ってないような気がしてならないんですよね。

 例えば、非正規労働者急増についてのアンケート。殆どの会社はそれを『良くない事』としているんですけれども、『では御社は正社員を増やされますか?』と尋ねると『いや、そんな余裕はないです』と答える。……どの口?と聞きたくなりますやね。『不正規雇用が増えて格差が発生するのは困るけど、せっかく削った人件費、うちは正規雇用は出来ませんよ?』って。『原発は無くせ!でも、停電なんて事態は絶対許せないし』では困るんですよね。まずはほら、待機電力を減らすのにまずTVのコンセントを抜く事から始めようっていうじゃないですか?

 ……まぁ、地球温暖化対策に原発をって叫びだした推進派もいい加減だとは思うんですがね。

 閑話休題
 なんというか、『総論賛成・各論反対』ではお話になりませんよ?と。
 格差社会はイヤ。でもワークシェアリングもイヤ。それでは何の解決にもならない。『派遣何ぞになる方が悪い』、ですか?ん。なら正社員採用を増やしてくださいな♪それが出来ないのならまぁ、黙っててください。この4ヶ月間、派遣として仕事をしてますが、少なくとも派遣になりたくて派遣になった人を私は見てません。努力が足りない?能力がない?……ん。ではあなたにはその能力がおありなんでしょうね?そう聞きたくなるもんですが。


 以上、愚痴!