職安の帰り道

 何してんだ、俺。
 職安の帰り道、本屋で暇をつぶしていた水緒と落ちあって蕎麦を食べている。
 いや、その状況はわかるんだけれども、なんで俺はこいつと一緒に蕎麦を食っているのか。自分でも不思議でしょうがなかった。
「うまいか?」
「うん」
 水緒はおろし蕎麦を食べるのは初めてだという。そういえば、どこの生まれなんだろうか?ふっと思う。でもまぁ、聞かないほうがいいんだろうなぁ、と思う。この一週間そんな感じだった。
 聞こうかと、思った事もあった。だけどやめた。現状は心地よかった。それを聞くと現状が壊れるような気がした。
「汁を飛ばすな、汁を」
「ふぁって、うはくすすれはいんはもの」
「口の中に物を入れたまま喋るな!」
 水緒はズッと汁をすすった。
「食べてる最中にぶつぶつ言うな!」
「だって、お前。本に汁飛んでるし」
 俺の言葉に水緒は買ってきたばかりの本の袋を見た。おろし出汁で水玉模様が出来ている。
「はっ」
 水緒は慌てて本を取り出して表紙を確認した。
「良かった、無事」
 俺は思った。何で17〜8の小娘が韓非子なんか読むんだ、と。 

                         つづく


 そういや、韓非子はまともに読んでません。マキャベリの方がインパクトはあったんですが、ここは韓非子で。
 
 酒はやめて、桃ネクターを。そういえば、誰かが不二家ネクターを称して『どろり濃厚 桃味』と言っていたのを思い出しました。いや、むしろコンニャクゼリーのような物を想像してたんですが、それだと『げるるんジュース』になるのかなぁ。一体どれくらいの濃度なのでしょう?どろり濃厚。そういや、今もそうなのかどうか、ミスドでミルクティを指定すると出てくるミルクは
乳脂肪が8以上の物だったような。あ、R/O膜で牛乳を処理して……あったなぁ、そういうの。んじゃあ、オレンジジュースをR/O膜で……そりゃただの濃縮果汁だ。おい、にいさん。愛知のにいさん。なんか作ってくれ。