『あおぞら』がみえたら/きっとはれるでしょうから

 多分、どうしようもない事だってある。
 そんな事は解かっているんだけれども、どうにかしたいと、してやりたいと思ってバタバタともがいてみる。結果、何も出来ない自分に気づき鬱々と空を眺める。
 大抵、そんな日は雨が降っている。
 泣きっ面に蜂、なんて言い回しもあったけれども、昔の人は意地悪だ。わけも無く、そんなことを思って空を見上げる。
 白い鳥が、羽根を広げて舞い降りる。田んぼの中の用水路、そんなところに魚などいるものか。鳥は、静かに水面を見下ろす。物憂げにも、悲しげにも見える。
 鳥は、ただじっと水面を見下ろしている。
 僕も、じっとそれを見つめている。
 不意に鳥が顔を上げる。そして空を見上げる。その視線を追ってみる。微かな青空。鳥は、再び翼を広げた。
 あめもよう、あおぞら。それは一点の希望なのかも知れない。
 白い鳥、飛び立つ。その彼方には虹が出ていた。
 きっといつか、晴れるでしょうから。雨ばっかりでもないでしょうし、いつかまた、晴れるでしょうから。雨は雨、曇りは曇り、晴れは晴れ。その日その日を生きて行きましょ。どうしたって、それ以外やりようがないんでしょうから。
 あおぞらがみえたら、きっとはれるでしょうから。