ごはん

 そんなカテゴリー作ってたの忘れてました。
 
 ちゃんとしたもの、ってなんでしょう?ちゃんとしたご飯って。
 ラーメンは、ちゃんとしたものです。でもここで言うちゃんとしたものとは何か違う、感じがしたのです。目に入ったのはファミレスの看板。あー、ちゃんと、ってそういう『ちゃんと』か、と。

 食事の基本は1汁1菜。お汁があって、おかずがあって。ご飯には当然お漬物がついて来ます。給食のスタイルですね。主菜・副菜・汁物・ご飯。だいたいの定食物ってのはこういう組み合わせになっているはず。
 たとえば、吉野家の豚鮭定食。どっちがメインか悩みますが豚皿と鮭、味噌汁ご飯お漬物。
 こうやって考えてみると朝定ってのは豪華ですよね?ご飯、味噌汁、卵、海苔、納豆、お漬物。メインは何処?とつっこみたくなりますが、ならば松屋のハムと目玉焼定食。メインはハムと目玉焼き、そこに小鉢が一つついて海苔と味噌汁、ご飯です。これならわかりやすい。

 旧軍の糧食資料を見ても、沢庵やみそ、しょうゆは戦略物資とされていたようですし、何より福神漬け。
 大英帝国の頃の市民の食事を見ると、汁菜兼食のシチューにパン。バターやチーズを食べたかはわかりませんが。ジャガイモを添えたとの記載が『エマ・ヴィクトリアンガイド』に。……なんで食には定評があるイギリスを食事の話で持ち出したんだ、私は?せめてハイジかパズーにすべきだったなぁ。買うかなぁ、ムーミンママのお料理の本。…?こないだ再版されたように聞いてたんだけど品切れなのですね?


 と、まぁ、そんなこんなで定食を食べよう。でも何かドンとしたものを喰おう、こうなったらと思いつつこないだランチタイムに入ったとんかつ屋さんへ。
 サファータイムだった事もあって店内のムードも静か。カウンターに座っても怖くありませんでした。
 ……そういや、ここはキャベツとご飯、味噌汁おかわり自由だったな。
 空腹感は無かったのですが、やってみるのも手だな、と。銭湯で乗った体重計はそんなことを許してくれそうも無かったのですが、今まで食いたいだけで生きてきた人間が、病気で食欲を失い、そこで偶然発生した『食う気』になったらもう行くしかないだろう、と。店に入る前からオーダーは『ロースかつ定食(小)』に決めてありました。小と言う所が少し弱気。

 ドアをくぐると『いらっしゃいませ』の元気な声。清算のお客さん(ほろ酔い)が4人。なぜか脳裏のFFの戦闘のテーマ。しかもファミコン版。ネタ古っ、ってーかお客さんに向かって何をする気だ俺?そんな空気を知ってか知らずか店長さんが店員さんを呼びます。『お客様ご案内お願いします』出てきたお姉さんが背伸びをしつつ私の顔を見て『お一人様ですか?』という前に指を一本立ててきたので私も一本指を立て。もちろん中指なんて下品な事はしません。『じゃ、カウンターで宜しいですか?』他に選択肢は与えられるんだろうかと思いつつ、無表情に『はい』と。いや、自分では笑顔を作ったつもりだったのですがきっと相手にはそう見えていたはずです。
 コートを脱ぎ、メニューを一応眺めてちょっと迷い。……和風おろしとんかつ?お茶とお手拭をもらいつつ尋ねます。
「これ、ポン酢です?」
「はいー」
 テンション高っ。少しくれ。でもポン酢はいらん。
「んじゃ、ロースかつ小を定食で♪」
 対抗上、勤めて明るく言って見ました。でも多分今私は効果半減。ステータスには『鬱』と表示されているはずです。微かに戦闘のテーマが。あれ?なんでAirRPGになってるんだ。思わず♪消えるひこーき雲ーと歌いそうに。レジストっ。成功。次お姉さんのターン。そういやここのとんかつやさんの制服って味気ないよな?と思った自分が何かに毒されているような気がしだして。ステータスに『毒』が追加されます。
「かしこまりました。ご飯はしろご飯と麦トロとございますが?」
「麦トロでっ」
 速答一秒。なんかパーティーの中に北の第六天魔王がいるような気に。戦闘終了。

 ほどなく運ばれてきた小さなすり鉢のゴマをうつろな目ですります。
 ……カウンターからはサービスヤードの会話や厨房の動きが微かに見えて。習性上、厨房の動きやサービスヤードの備品配置をチェック。厨房のおばちゃんと一瞬目が合います。先に目をそむけたのはあちら。勝った!(何が
 
 うつろな目は続き、いい加減ゴマも油が浮いてきてこれ以上すっても楽しくない状態に。こないだ途中で放っている『千年』のプロットを頭の中で修正しつつ、その反面、大戦略での樺太侵攻の作戦を練ります。美咲と美雪の対立点、そもそも美雪は何を考え取るんだ。あ、雪降らせて家族3人プラス主人公で閉じ込めさせるか?……祭の前日にか?とりあえず揚陸作戦はやめてやっぱり航空兵力をもっと活用しよう。ヘリじゃ補充に手間がかかってしょうがないからやっぱりF-4EJ改か?でもなぁ。T-90って対空ミサイル持ってやがるし、相手の索敵範囲も妙に広いんだよなぁ。やっぱ偵察部隊を先に見つけて叩かなきゃ駄目か?ロケット兵器も本場だしなぁ。広範囲にやられちゃ90式は耐えてもMLRSがなぁ。ああ消耗するんじゃ辛いよな……そういや、そもそも美雪はおねえちゃんの事が心配で水井を東京から呼びつけたんだよな?それに応じて水井もさっさと福井に帰ってくるし、水井は美咲が好きだったはずじゃあ……ただのいい人、でもいいか?でも、美雪は何であんなラブラブモードなんだ。味噌汁インスタントだけどな。
 あ、冷蔵庫アサヒだ。
 
「お待たせしました!」
 思考が収束しないうちに料理が。奇襲攻撃かよ!!(違う
 ちなみに持ってきてくださったのはさっきとは違うお姉さん。ミサンガがチラッと見えて、いや、あれ髪まとめるゴムにも見えたな?ともかくよく動いている娘でした。ちなみに先ほどのお姉さんはなぜか店長と雑談モードに。こういうスキンシップがやっぱ鍵だよな、サファータイムは。でも、お客もいる。お前らの目の前のガラスのこっち側に、お客がいる。一応、私お客、お客。プロレタリアートなので舐められてるのかと思って某令嬢のまねをして2回言ってみました。心の中で。あー、小市民。やっぱり牛乳飲んどきゃよかったのか?鼻からだけどな。
 
 とりあえず、食べだします。手元はやはりフルフルと少し震えるのですが、何とかソースをすり鉢に入れ、味噌汁の蓋を開けるとそこには……。
『え?トン汁??』
 トン汁へのチェンジは100円増しだったはず。なぜだろう?厨房のおばちゃんに憐れみられたか?んじゃあ、負けとるやん、私。ずずず、うまー。
 麦飯も魅力ですがまずはキャベツ。キャベツをソースに付け、麦飯を受け皿にパクリ。しゃくしゃく。千切りは細め。いとおいし。?とりあえず繊維だ繊維。こんなもんに栄養素を求めちゃなんねぇ。昔死んだじいさまが言ってた。『とんかつ屋のキャベツは添え物なんだ』と。当たり前やん、と軽く突っ込んで。それ以前にじいちゃんそんなこと言っとらん言っとらん、糸って聞いただけで怒り出しはしそうだけど……それは機屋の宿命だし。とりあえずキャベツ。キャベツ。キャベツ。半分ほどなくなったところでとんかつにからしを載せ……からし延びん。えーい、山ほど乗せちゃる。で、もはやキャベツまみれのソースに浸して。……そんなにからし辛くないな。……って、辛っ!そうだ、上に塗ってたんだ。馬鹿か俺は。お漬物の中から梅干を選んで口中に放り込み、麦飯を一口。すぱっ。辛いのはどっかに飛んでいきました。トン汁ずずず。
またキャベツキャベツキャベツ。とんかつを食べ、キャベツ、とんかつ。麦飯の上にとろろをかけ一気に啜ります。キャベツまみれの麦トロを。ずずずずずるる、しゃくしゃく。
 キャベツ、麦飯をやっつけた所で店員さんに合図。よく動いてた方で、どうも新規のお客さんの対応に走ってた様子。一瞬優先順位を見失った風で、『どうぞお客様を』と一言。お姉さん、新規のお客様に。……今の発言は一部おかしな所があったような気がしますが気のせいという事で。どうもちょっとしたトラブルのようで、お姉さんサービスヤードに控えていた店長(ひょっとして時間責任者か?)を呼びに。対応終了。……しばらくしてお姉さんが私のところへ来ました。
「おまたせしました、御用は?」
 テンションは高くはないのですが、この子の方が好きだなぁ。
「ご飯とキャベツのおかわりお願いします」
「では、お茶碗頂戴します」
 微かに指が触れそうになって。あ、間違いない、髪留めのゴムだ、これは。
 『少々お待ちください』と去っていくお姉さん。帰ってきたお盆には白ご飯とお味噌汁が。
「お待たせしました、ご飯とお味噌汁です」
 そう来たか。
「すいません、キャベツをお願いしたかと思うのですが?」
 日常会話ぐらい覚えていかないと海外旅行は大変だろうな、と。日本語でもこんなトラブルに巻き込まれるんだから。もえたんⅡ、買うか?
 一方お姉さんの方は、あせっ、あせっ、という雰囲気で、
「あ、すいません、キャベツですねっっ」
 メイド喫茶だったら彼女はドジっ子確定なんだろうな、と。ステータスは『毒』のまま。きっとこのトン汁も彼女の仕業に違いない。……でも、オーダー表はノーマル味噌汁表記だよなぁ。……サファースペシャルか?怒りそうにない客に無理やり余りもの食わすってあれか?コンポタどんぶりで出したりするあれか!!……ドジっ子説希望。
 で、ほどなく頂いたキャベツと白ご飯で美味しく食事を終了。レジに立ちます。ドジっ子(確定)に会釈。向こうも会釈。出てくるのは店長。ちっ。
「ポイントカードはお持ちですか?」
「ちょーっと待ってくださいね?」
 数秒。
「後日清算も出来ますよ?」
 ダメ無職は度々こんな店来れません。いや、確かに2週間以内に2回きとるけどさ。
「あ、ありました」
 残念そうな店長の顔。へへっ、ドジっ子でなごませて貰ったからちょっとやちょっとじゃ鬱発動しないぞ!
 男には用がないのでさっさと清算して出て来ました。

 
 で、帰宅。啼く猫、寝てる嫁。いつもの光景。光学マウスはなかなか快適です。
 と、言う訳で今日の日記は以上。ちなみに4時間かかりましたよ?馬鹿ですか?私は。
 ここまでお読みいただきましてまことにありがとうございました。あすからは、またmixiメインで行きたいと思いますのでこっちはお茶を濁す程度ですが、宜しければまたお付き合いの程を。