実家出頭

 日曜日はボンヤリだったので、今日実家に出頭。
 ご近所さんの手前、夕方着。家の前に車をドンとつけてアパートから荷物を少し運び込みました。内容はあんまり言えないようなもの。やましいものではないのですが、仕事関係でどうしても残しておかなければならない物など。ダンボール二つ分のそれを抱えて家に入ると母親がいただけで。
「父ちゃんは?」
「寝てる」
 時計を見ると17時でしたので、いくら板場時間でもそろそろ起きてこなけりゃいけない頃。荷物は旧・私の部屋、現・弟のプレイルーム兼倉庫に運び込むことに。で、母親曰く、
「持ってきた分は持っていくんでしょうね?」
 私の私物がまだ結構残っていて。とりあえず作業開始。カセットテープが大量に出てくるのですが、私にはカセットに何か表題をつけておくと言う趣味が無かったもので……。
「いるのといらんの区別しね」
「どやってや!」
 ともかく古そうなのはポイポイ。もう無制限にポイポイ。今週は燃えないゴミの週なのでそれを狙ってポイポイ。
 ビデオカセットも出てきたのですが、ほとんどが弟の払い下げ/もしくは裏ビデオで。
「父ちゃん見るかな?」
「うちビデオ壊れてもう無い」
 母親の一言でポイポイ。
 無くしたと思っていた本〜宇都宮にいた頃出入りしていたイベントに出ていたサークルさんの同人誌とか、『連合艦隊艦艇一覧』とか。後者は東映動画のファン感謝祭の帰り大泉学園駅前の本屋で買ったもので、その路上に陸自の人たちや会場で海自の人を見た思い出が。そういや、中野だな。海自はやっぱりセーラームーンか!!などと色々思い出を。
 弟がポンと投げ渡してきたワルサーPPK/Sは郵便局のバイトで買ったもので。ガスもあったので注入して空撃ち。あれ、これ『12』だなぁ、などと。
 そんなこんなで押入れからあふれていた段ボール箱と衣装ケース計5箱を分別。うち3箱分は廃棄に。次の日曜は押入れと本棚をいじる予定。

 TVでは新・福井駅開業のニュース。駅員さんが旧ホームに一礼して立ち去るのを見ると涙が。私も昔あのホームで仕事をしていましたし。わずか3ヶ月でしたが、乗降という意味ではやっぱり14年ほどお世話になった訳で……。そしてそのままブラック・ジャックを。女医さん助かったのか。その方が良いよなぁ、子どもに見せる分には、と。
 こうなるとAIRの劇場版を見そびれたのはやっぱり悔しかったり。評価はどうあれ、あれがこうなら、それもそうでも構わない様な気が。

 ふとこの後のこと〜実家は店を畳んだのでこの先どうするかについて弟が何か聞いていないかと思って尋ねたら、『一家心中じゃないの?』とあっけらかんと。そういや、畳む前もその後は良い枝ぶりの木を見つけてロープを一本などと言っていたので、まぁ、そうかな、とも。弟曰く、『父ちゃんが一人で決めてしまう。僕は知らん』

 で、1階に降りてみると父親が起きて来ていて。将来の計画とか、日中関係とか。日本の将来像についてはもう絶望しかないだろうな、と言う話になったのですが、とりあえず私は50まで生きるとして、その20年間を生き延びる算段をしなければならず、正直60年後の日本は今はどうでも良い事で。そんな事はまず来年まで生き延びてから考えようと。実家にせよ、うちにせよ、そういう感覚で。その中で私が『5年遅かったかな』とこぼしたのに父親、
「お前が大学出てアホ言っておらなんだら今頃そば屋の一軒も持ってたやろや」
 と。まぁ、確かにねぇ。馬鹿といえば馬鹿だった訳で、そんな事はわかってはいるので。
「どっちにせよ、頭で考えたものを商品にするまでに若い頃と違ってもう時間がかかるようになってもたんでな。わしももう60やし」

 帰り際、見送りに出てくれた母親に一言。連休中に遊びに行ってもいいかと尋ねたものの、私はいいけど知らんよと。どうしたものかな、と。