おいてけぼりな感覚

 先々週上京した前日、ネコさんの腎不全が判明して翌日福井駅に立っていた時、本当に行っていいんだろうか?という衝動に駆られて。
 で、初めて高架を走る特急に揺られ、米原300系に乗り換えた時ボンヤリと併走する線路を眺めながら思った事は、自分だけが静止していて、周りがものすごい速さで動いているという感覚。

 おいてけぼりにされている感覚。それは大学卒業後からずっとあって、各自の専門分野や得意分野に進んで行く友人達の背中を見て、自分だけ誰もいない故郷に帰るのが淋しかったというのが実情なんだろうなぁ、と。

 卒業してから10年。3回転職し、前の会社に入社したのは8年前で。入社は倉庫番だったんですが、営業が一気に3人辞めるという話になりその穴埋めに私が営業に異動させられて。抵抗したものの、最後には物流本部長に頭を下げられて。で、もし期間内に誰か代わりの人が入ってきたならという条件で了承したらうまい事人が入って来て。……それなら営業だって職安で募集すればいいじゃねーかと思ったものでしたが、まぁ。で、営業配属初日はやっぱり逃げ出して、当時付き合ってた彼女(今の相方)の下宿に転がり込んで、やっぱやんなきゃ駄目かと思い家に帰りつくと営業部長が待ち構えていて。いや、はい、明日から。と言う事で営業に。

 営業になるために習った事といえば、領収書の切り方と担当先がどこにあるか、それと納品場所だけで。薬の知識なんかはもう大学時代に赤点だった知識を総動員して自分で添付文章やパンフを見て叩き込んだようなもので。

 で、慣れてきたかなと思うと会社合併に伴う配置転換。郡部から市内へ。300万のノルマで担当先が50軒。その内1軒で100万の売上があって、10万先が5〜6軒。つまりは残りは1万〜2万の売上先だったと。それはつまり取引してるんだかしてないんだか、という先ばかりと言う事で。最初の頃は門前払い『何しにきたん?』という雰囲気で半年かかって何とか受付さんと駄弁る事が出来たりして。何とか成績も上向いてきたかなぁ、と思ったら今度は機構変革で配送に。リストラもあってお世話になった人がずいぶん辞めて。
 何してんだ、俺?と思いつつ、ま、正規兵じゃないしな、とボンヤリ配送。営業の仕事は1年〜2年かけていく仕事であるのに対して配送は30分〜1時間で勝負が決まる仕事で。それはそれ、短気な私には向いている仕事だったので楽しかったのですが、上司がふて腐れていたもので、なんも仕事せんわ、問題は私に振られるわで。えーと、私平社員ですよ?と上長と蹴り合いの喧嘩をしたり。荒れてて会社の壁に穴を開けたり。
 そんでまた、経費削減で遠くから来ていた人が帰った穴に私が押し込められて営業に。んで、新人が入社してきて育成研修が終わったと言う事で私とバトンタッチ。某病院さんなんかは挨拶に行った上長に担当変更について嫌味を言ってくれたんだとか。有難い話だなぁ、と。今でもそのお先からは年賀状が来るのですよ。
 んで、また配送へ。今度は上長がすばらしい方で公私に渡っていろんな事を教わりながら充実した生活を送っていたんですが、色々あってまた機構改革〜倉庫番への復帰。私の変わりに倉庫番になった人はもう既に班長クラスになっていて、やっぱりなんだかおいてけぼりになったような気分で。で、洪水があって、人がゾロゾロ辞めて。んでまた経費削減やいろんな話があって営業になって。

 あー、この先私はずっと穴埋めに使われて40ぐらいになったらお払い箱なんだろうなぁ、と漠然と思い出して。
 担当交代した先って言うのは基本的に冷たくて。私も人付き合いができる方ではないのでやっぱそんな辺りで鬱発症!だったんでしょうね。


 老猫が死に、相方はペットロスで無気力。仕事と言っても私自体今何もする気が起きない状態な訳で。

 友人らも、それぞれ悩みを抱えて生きているのは知っているんですし、自分だけが辛い訳でもないのですがね。そんな事はわかってんですがね。