情論……左手に見る廃墟
福井駅よりフェニックス通りを北へ、10分ほど走るとそこに廃墟が見えます。廃墟というのも辛いのですが、現実的に閉鎖区画となっている以上そう書かざるを得ないのかな、とも。その建物の屋上を見上げると赤い丸の様な意匠の看板が見て取れます。そこは『ショッピングタウン・ピア』*1といい、2003年7月、自己破産以来そのままの形で放置されています。
私が小学生の頃、繊維不況で閉鎖された紡績工場跡地にそこは開かれました。日本でも珍しいスーパーと専門店協同組合の郊外型SCとして誕生したピアは土曜日の午後、学校を終えて連れて行ってもらうに楽しい場所で、福井では唯一24時間営業のミスタードーナツがあり、そのほかにも都饅頭*2なども売られていたりして真新しさにあふれた場所でした。ラジオの公開放送なども行われ、時にはアイドルなどがやってくる場所。少なくとも煤けた駅前や規模の小さな平和堂西福井店*3よりは楽しい場所でありました。
破綻は、当然の結果だったと思います。
自家用車の普及とそれに伴う駐車場の複雑化*4や加盟小売店の相次ぐ倒産、新8号線の完成とその周辺への競合店の進出。最後に起きたのはキーテナントであったスーパーの撤退でした。
ジャスコです。
現在福井県内にはイオングループの店舗というものはくすりのアオキぐらいしか存在せず、県下にはジャスコは一店もありません。また、ピアの店舗はジャスコも一部保有しておりこれがピア再建の楔になっていたりします。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い式ですが、これが情の上での民主非支持の論拠です。