理論……独立国『日本』という虚像

 有史以来、日本が独立国だったのはほんの一瞬ではなかったのではないか?私はそう考えています。
 日本最古の王朝と言われている邪馬台国の女王・卑弥呼は魏の皇帝に『王』を任じてもらっていますし、その後日本列島に侵攻してきた韓民族を起源とする(であろう)大和朝廷も歴代の中国王朝に朝貢を行っています。これは大国の隣で生きていく為の方策であり、実質的な属国ではないにしても、名目上は属国であり、それによって我が国は近隣諸国と戦火を交えずに済んだのだろうと考えます。元と高句麗連合軍による『元寇』……本邦初の直接侵攻は台風によって阻まれ、防衛戦争という初の『得るものが無い』(実際は失わない為の)戦争は結局鎌倉幕府が倒れる直因となる訳ですが、その後室町・戦国・安土桃山時代の混乱の世を経て日本は鎖国に突入します。鎖国している国とは、つまり『僕の周りには誰もいない』と耳をふさぎ膝を抱えて座り込んでいる訳で、これは独立国とはいえないだろうと考えるのです。で、幕末。欧米列強の圧力から我が国は鎖国を解く訳なのですが、その際我が国は中国王朝の属国(朝鮮王朝の弟分)である事をはじめてやめ、独立国家として振舞ったのだと思います。そして薄氷を踏むような戦争を戦った明治、自由を謳歌した大正、そして驕り高ぶり(実際は食う為に)満州に進出しうっかり引いてしまった引き金の為に最終的には太平洋戦争、ソビエトによる侵攻を受け、また再び4島とその所属する島々に戻った日本は冷戦構造の中アメリカの属国として生きていく以外に道は無かったのだと思います。で、戦争を放棄し*1そのお陰で公には軍隊を持てなくなった我が国は米ソ中英仏の様にICBMやIRBM、SLBMなど莫大な予算を食う核戦争装備の開発・配備から解放され、また、韓国の様に若者を徴兵に取られる事も無く社会はそれを直接生産に投入する事で先日の経済大国・日本を構築しました。

 で、ソビエトエスカレートする軍拡についに破綻した現代。世界の軍事バランスは崩れ、不要になった兵器が中東などに流出し、イスラム圏は不安定化。極東では唯一の超大国となったアメリカと自らを『龍』と信ずる中国が覇権を争うべく互いににらみ合っている訳で。そんな中で日本は財政赤字や高齢化による将来の社会保障費負担増に押しつぶされそうになりながら、企業は合理化の掛け声の下『正社員』を一掃し、より機動的な『派遣社員』や『契約社員』と言った実戦力を求め、その教育を社会に丸投げしようとしている訳です。過去の成功経験に囚われた人々は景気浮揚策に『公共投資』を訴え、IT化を叫び続けながら整備新幹線を求め、それに提示される地元負担の大きさに目を剥くのですが、それもこれも俺の金じゃないし〜♪という気楽さでいい加減なCMを流し、まるで反対しているものは異常者であるかの様な空気を作り出してそれを推し進めようとしている訳です。


 さて、本題。
 民主党のHP、”「憲法提言中間報告」(要約版)”http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/BOX_SG0058.htmlを眺めていますとどうも不穏当な単語が踊っています。『世界市民』。。。はてさて、世界市民とは何ぞや。昔はよく社会党支持団体が自称する単語で、これはすなわち東アジア(≒中国)に対しオールウェルカムな人々を指す単語だったと思います。また、注目すべきはこの文章の中で『永住外国人』の地方参政権を認めるべきであるという事が謳われており、これはすなわち『在日コリアン』へ参政権を与えようと言う動きな訳で。……確かに、時代背景の中在日コリアンサンフランシスコ講和条約発効とともに日本国籍を一方的に剥奪され、当時存在した大韓民国か朝鮮民主主義共和国かのいずれかの国籍を取得すべしとされ、日本における参政権すべてを失った訳なのですが、ならば日本国籍をとり易く配慮すべきであって、そもそも日本民族とは多民族の混合国家(琉球民族アイヌ民族縄文人弥生人朝鮮人・大陸人・ポリネシア人等々の寄せ集め国家)であった訳で、また、在日コリアンだけでなく日系ブラジル人日本国籍取得を希望するさまざまな国の人々に国籍を与える様努力すべきであり、一民族に対する配慮のみを強調するのはいかがなものかと。
 また、民主党沖縄ビジョンについても正気かと思わざるを得ない訳で。http://www.dpj.or.jp/seisaku/kan0312/kouan/BOX_KOA0022.html
 気持ちはわかるのですが、韓国がもはやアメリカの同盟国足りえない以上、アメリカは中国の太平洋進出を押さえ込む為にも日本に基地提供を求めてくるはずで、それをいやだと言えば日本にその応分の負担(つまりは軍拡)を求めてくるだろうと考えるのです。で、民主党はかねてより自衛隊嫌い*2な訳で、そんな事は請け合わないでしょうから日米同盟破綻。利するのは中国、と言う事になるのではないかと。


 いってみれば、自民党を選ぶと言う事は日本がアメリカの属国である事を、民主党を選ぶと言う事は中国の属国になると言う事を望むと言う事で、ならば自分がどっちを望むのかと言えば、深謀遠大な中国の属国となるより単純直情なアメリカの属国となる方が無難だろうと。また、現段階で我が国が中国側につくと言う事はそれすなわちアメリカと戦う覚悟を決めなければならないと言う事で、少なくとも同じ過ちを二度繰り返すのは馬鹿げているとも思うのです。



 ごちゃごちゃと取り留めなく書きましたが、まぁ、そんな感じという事で。
 日本が独立国であろうとすると、現段階では共産党に入れるしかないと言うのは間抜けた話なのですが。

*1:これはアメリカの戦略眼の無さ……場当たり的な発想に由来する訳ですが

*2:雪祭りにおける自衛隊に対する民主党市長の発言やそれを受けての師団長の協力縮小発言、それに対する民主党議員の『文民統制への挑戦』発言。そういえば、札幌雪祭り雪像はそのほとんどが陸自の施設科部隊の野戦築城演習という名目で国税を用いて作られているわけで、これが用途以外使用であると言う訴えを起こしたらどうなるんだろう?