何もしない神様

 某トピで12日発行の日刊ゲンダイが話題にのぼっていて、今朝コンビニに寄ったらあったので購入。確かに一面には『この国の民主主義は死んだ』と言う文字が躍っていて。中を読むとやくみつる氏を始め今回の選挙結果に呆れたと言う識者の談話がワサワサ。

自民党に投票した若年層はその悪い報いで酷い目に遭うだろう』

そんなおどろおどろしい見出しも。これはノストラダムスの大予言か何かか?と一瞬。そのフレーズは某国の『檀君の呪いに恐れおののく』というあれを連想して失笑。なんでも若者はこの先サラリーマン大増税に泣くそうで。それ以前に正社員になれないぞとの事。
 
 はて、可笑しな事を言う。民主党が政権を取っていれば正規雇用が増えたのか?イオングループだって価格破壊の一端を担った流通じゃあないか、と。
 返す刀では政権を取れなかった民主党もばっさり。それはそうだ。日本新党で私たちは充分酷い目にあったじゃないか。社会党連立政権時いったい何があった?思い出すだけで立ちくらみがする。

『この国の選挙民の政治水準では選挙など何回やっても民主主義は確立されないムダである事が分かった』

 なら暴力革命でもするのか(笑)
そもそも、健全な民主主義とは健全なメディアが存在してこそはじめて成り立つものではないかと。イギリスのタブロイド誌はそういうメディアであると聞いているのだけれども、少なくともこの記事を書いた記者は自分の所の新聞をまともに読んだ事も無いんじゃあないかと。体制批判とギャンブルと、風俗店広告だけで何をしたいのか。スポーツ紙はそんなものよ?と言われてしまえばそれまでなのですが、まぁ、そうなんだろうな、と。サービス残業を終えた親父さんが一杯呑み屋にふらっと寄って帰り道、KIOSKで買って読むならこの程度なんだろうなぁ、と。

 週刊誌にせよ、スポーツ紙にせよ。体制批判とゴシップ、ヌード写真だけが頼りなんでしょうし。女性誌の記者は自分が書いた記事も3日経ったら忘れてしまうんだとか。それが今の50代40代を支えてきたメディアだと言うのであれば、やはりその功罪はあまりにも大きいのではないか?一億総無責任時代。少なくとも、今の20代の中にはそれが異常だと思う人間もかなり出てきている訳で。私たち30代は政治の話をするのは馬鹿のする事だと叩き込まれてきましたから。

 『ペンは剣よりも強し』とは大正時代の言葉だったかと思いますが、狂人に剣を持たせるほど恐ろしい事は無いな、と。


 なんだか見渡してみると*1、見えてない人もいるような気も。『悪法も法なり』と毒杯をあおったのは誰だったか。ただ、現状がそんな世の中だと言う見識については同意する事もやぶさかではないのだけれども、はて?マスコミは小泉支援だったのだろうか?こちらから見ると民主支援に見えたのだけれども。情報ソースが共同通信とTBSでは偏っちゃあいますがね。あと、ニートは投票するなではやはり民主主義の根幹を否定するようなもので、そもそもニートが小泉支持だと言うソースはどこにあるのかが知りたい。ニートを生み出したのは今次不況で、それを打開できない小泉首相をなぜニートは支持するのか。民主党支持者以外は悪だというのであれば、それはナチスドイツの成立過程に生まれた空気と同じではないかと。太平洋戦争期の反戦活動封じでもかまいませんが。
 ただ、他者を愚か者だと一方的に批判する人間に尊敬の念は抱けない訳で。
 あなたはあなた、私は私。お互いモノを考える事こそが重要なのであって、その結果決断を下した事に責任を負うことも重要。無制限の自由なんてものは気色が悪くていけない。最も、ああも端的に誰の批判も受け入れないと書かれたんじゃあ、あぁ、では山の彼方のなお遠くにでもお越しになればよろしいのにとぐらいしか言いようも無い。


 あー、しかしタブロイド紙ネタで何そんなに熱くなってんだかとか思われるんだろうなぁ。不況の風吹きすさぶ真っ只中の田舎の失業者にゃあ、他にもやらなきゃあならないことは山積みな訳で。
 訓練教程のテキストでも読んで寝よう。

*1:日刊ゲンダイのリンク