きょうやさんで鴨せいろ

 ほぼ一年ぶり。悩んだ挙句に鴨せいろを頼みました。鴨南蛮と盛でも良かったんですが、予算的な関係です。食事と言うのはただ単なる栄養摂取ではなく、美味しいものを食べると言う幸せな時間を過ごす為のものだというのは至極最もな話だと思うのです。いや、まさしくそうだと思うんです。
 学生時代、中華料理のファミレスでアルバイトしてたんですが、その時よく思ったのがお客さんは料理を食べに来てるのか?と言う話で。ただ単に食事と言う行為が栄養摂取だけを目的にしているのであれば、それは何もファミレスなんぞに行かなくてもコンビニ飯で言い訳で、ぶっちゃけ白飯にカツオ節と醤油での十分なんでしょうし。いや、それが幸せな時間で無いかと言うと、私にしてみればそれも幸せな時間なんですが、ファミレスってのはそれ以上の、価格に見合った幸せを提供すべきじゃないでしょうか?という話をしていたのです。1000円払ってファミレスで過ごす時間が500円のコンビニ弁当を食べる時間に負けちゃいかんでしょう、と。よく父親が言っていたのですが、料理4割接客6割。どんなにうまい飯も、接客次第でダメになると言う話で。勿論、その空間と言うか、場と言うか。もって行き方もあるんですが。あんまりなれなれしい店主のおでん屋なんぞ行きたくないですし、タメ口をきいてくる高級レストランってのは想像したくもありません。私の弱点は、飲み屋に行く趣味を持たないことなのですが、うちの稼業は飲み屋ですし、私の仕事も飲み屋に絡む仕事ですし。どうしたものかなと。酒が飲めんもんが酒屋をやれるかな?酒飲みの気持ちがわからないで酒を勧められるものなのか。
 閑話休題福井新聞で小学生誘拐殺人事件の方を眺めながら待つこと5分?運ばれてきた鴨せいろに取り掛かります。
 一年前、もうどうでもよくなったのがこの鴨せいろだったんですが、つゆを見ると山椒が振ってあって。三つ葉も散らしてありました。少し汁だけすすってみるとさすがに生臭みはなくて。わさびが添えられていたのでそれを少し、鴨肉に乗せて口の中へ。やわらかくて。焼きネギがとろんとろん。なるほどなぁ、ともう一口汁をすすって。
 肉ってのは結局一旦硬くなってからさらに煮込むと柔らかくなるんじゃなかったかなぁ、と。それは肉にもよるはずでしたが、鴨肉もそうだったかなぁ、と。*1鶏肉は確かそうだったはず。ただ、煮込むと当然に食ってのはうまみを知るに取られてしまう訳で、韓国のサムゲタンの店なんかはダシ取り用の鶏と食べる用の鶏を別にしてるって話を聞いたことがありました。
 脱線、脱線。おいしいなぁ、と。ただ、蕎麦はやっぱり鴨せいろでは風味がよくわからなくなってしまうような気に。油でお蕎麦がコーティングされてしまって喉越ししかわからないというオチ。やっぱ盛頼もうかなぁ、と思いつつ時計を見ると4時半。あう、歯医者に行かないとー、できょうやさんをあとにしました。


 本屋によって『まほろまてぃっく』の8巻を。ちょっと最後バタバタでしたね。ちょっと惜しい気が。
 歯医者さんで抜糸。あと抜歯の予約。
 晩御飯はカレー。用意をしている間に黒猫さんが来て荷物を届けてくれました。1、2、3。あれ、一つ多い。ふわっつ、重っ!!開けるとご本。ありがとうございました。ありがとうございました。ただ感謝ばかりです。

*1:翌日父に聞いたら鴨は一旦硬くなると二度と柔らかくはならないとのことでした。筋切りしてあるんじゃないかと言う結論に。