福井で職人を目指すのであれば

 どうしても逃げる事の出来ない食材が。

 そう、カニです。今日は水ガニの包丁入れをやりました。水ガニというのは、ズワイなのですが脱皮してからそれほど経っていないカニで身があんまり入ってないカニの事で多分地方呼称なのですが、もっと身が入ってないとズボと呼ばれたりします。
 で、水ガニは大抵足だけで売られてまして、一ぱい分が縄で結わえて入ってきます。この足をかまから外し、身を取り出しやすいように包丁を入れてやるのですが……カニの殻だけに結構力が入り、ズワイを扱うときなどは誤って指を落とす様な人もいるんだとか。(うちの親方の系列ではそれを防ぐためズワイを裁くときには軍手を2枚はめ、その上で水を十分に含ませて作業をするよう指導しているとの事なのですが、それでも過去に親指の骨を複雑骨折した人がいたそうで。もちろんこのあたりは生物学の研究室で出てくる『超高速遠心分離機のバランスのとり方が悪かったためシャフトが歪んで折れてしまい回転したアームが研究室内を飛んで廻って研究員が負傷した』というネタと同じなのかもしれませんが、それでもそういう怪我をする可能性があるのはある訳で。)
 いやまぁ、怖かったです(笑)私がりんごの皮などを包丁で剥けないのは5歳ごろに父親の小刀で遊んでいて親指をバッサリやったからで……多分今残っている傷跡を見ると骨まで達してたんだろうなぁ、と。医者にもかからずホル○ズだけで治した父親は恐ろしい人だと思いますが。

 いずれ私もズワイやセイコと格闘する日が来るんだろうな……などと。いや、やらなきゃならんのですがね。

 親方、一ぱい付けで行っちゃいましょうよ。