核燃料サイクルは果たして必要か?

 もう無理ちゃうか? と考えます。

 建設からもう20年程経っているのでしょうか? 初臨界は私がまだ学生だった頃だったと思います。その後例のナトリウム漏洩事故が発生、それから15年目が今という事となります。
 『もんじゅ』はそもそも原型炉であり、その主眼は実証炉開発の為のテストという事となります。その為現在存在する原発(商業炉)とは違い、その発電能力は限られています。
 言ってみれば、『もんじゅ』は開発途上のかなり初期に存在する『原子炉』に過ぎない訳で、これはそういう意味において『原発』ではないのです。2chスレにおいてはその辺りの誤解があるように見受けられます。
http://www.mfbr.co.jp/contents/0202.html

 また、『もんじゅ』が『原型炉』である以上、この先『実証炉』や『商業炉』を建設しなければならない訳ですが、はて、それは可能なのか? 個人的には絶対無理という感覚です。90年代には『もんじゅ』の次に来る実証炉『みろく』が返還された北方領土(確か択捉島という話だった)に建設され、対露の交渉カードとなるというような仮想戦記があったようにも思えますが、その建設用地取得などは向こう100年ほどは無理ではないか? それ以前に核燃料サイクルの重要施設である六ヶ所村再処理施設も度重なる事故で運用停止中でありますし、その向こう側に必要となる地層処分場が出来ない限りこの系は破綻したといわざるを得ません。

 以上より、私は『核燃料リサイクル』政策の破棄が妥当であると考えます。


もちろんこれは、原子力政策についても無縁の話であるとは思いません。
 現在継続中の福島第一原発事故、特に1号機は耐用年数を越えたGE製原子炉であり、これは新型原子炉と比較した場合安全設計という点でやはり不安があります。多分1号機はこの後2・3・4号機と共に廃炉という形になると思いますというか熱望しますが、ならばその先、東電管区に対する電力供給はどう行われていくのか、検討されていくものと思います。
 当然ながらその途上においては老朽化している原電敦賀1号機や関電美浜・大飯・高浜原発についても検討が加えられていくでしょう。

 この点については後日改めて考えてみたいと思います。