料理屋さんの仕事

 業態として、もう100年ほど続いているモノですからそれこそ明治時代の概念が残っていたり。例えば休みがない事とか。確か労働時間制限などは調理師には適応されてなかったような気も。これは職人が『自営業』として『業務を委託され』その板場に入るからで、仕事さえこなしていればいつ行こうが、いつ休もうがある程度自由に決めていいらしいのです。また、その職人さんはそういう労働条件ですから結構な金額を貰っていて。駆け出しはそれこそ微々たるもんですが、一人前になれば結構取れると。で、今まではそういう仕組みだったようなんですが、現在は雇用者≒若旦那/新規参入者あたりはそういう事は考えていない様で、ともかく賃金は安く、休みも減らす。そもそも職人なんていらねーやんというスタンスの様で、今から板前修業に入ってもあまりメリットはないんじゃあないかとも。ただ、このあたりはお医者さんにも言える事で、これからは開業も難しくなりかと言って病院にもいられない。腕のいいお医者さんは引く手あまただけれどもそれなりの人はそれなりの給料しか貰えず過酷な労働条件に耐えなきゃならないという事になるんだろうなぁ、と。
 調理師学校に行く子らも、何を夢見て行くのか知りませんが技術のさわりは教わってもそれがすべてではない訳ですし、これはどんな学問にも言える事なんですけれども、それが使えて/基礎が出来ていてもその後勉強していかなきゃあ役にも立たないわけで、その姿勢があるかないかでずいぶん変わるんだろうな、とも。情報系も同じか?研鑽精進。技術者たるものその技術は身につけるものでつけさせてもらうものでもないんだろうな、と。これは過去からしみじみと。上からお仕着せの研修は時間の無駄で、やはりそれぞれが必要性を感じて行う自己研鑽以上に効果のあるものはなく、私が経営者だったらまずそこが問題になるんだろうとも。

 いろいろ問題とか、そんな所も素人なりに見てるんですが、まー実際中に入ってみるといろいろ勉強になって楽しいの一言です。なるほど、百聞は一見にしかず。もとより物心つくまでは料亭で育ったようなものですし。懐かしい馴染みな環境なのですよ。

 さて、明日も仕込みです。